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私たちは身近なかかりつけ医として、地域の皆様の
健康なからだづくりのサポートをいたします。
私たちは身近なかかりつけ医として、地域の皆様の
健康なからだづくりのサポートをいたします。
当院では癌終末期の患者様の在宅診療を行っています
2022-01-17
ある患者様の在宅医療開始までの流れを簡単にご紹介いたします。
 
これまで外科治療を3回、転移巣への放射線治療を2回行っていました。しかし、癌細胞を抑えきれず、リンパ節と骨への転移が見られていました。
肺炎を発症したため入院していました。入院が長期となり、患者様とご家族にとって、コロナ禍で面会できないことがとてもつらく、在宅医療に踏み切ったようです。
 
在宅医療は担当医だけでなく、多職種との連携・協力が不可欠です。
患者様とご家族に不安のないよう、ご要望にできるだけ答えられるよう、
初回訪問の前に当院スタッフ、訪問看護師、ケアマネージャーと話し合いの場を何度か設けました。
また、病院で行われる退院カンファランスには可能な限り訪問看護師と共に出席しています。
 
患者様とご家族にとって、何が最も大事なのか?
在宅医療に何を希望されているのか?
在宅での生活に対する不安は何か?
利用している介護サービスは十分か、生活環境は?
介護疲れを支えるための短期入所やレスパイト入院の紹介について、
人生の最期まで自宅で過ごしたい患者様を支援すること、
 
患者様のこれまでの病歴を慎重に確認しながら、在宅医療の計画をたてました。
 
【在宅医療が始まってから】
訪問診療の初診日、当院スタッフ、担当訪問看護師、ケアマネージャーと共にご自宅に訪問いたしました。
これまでの内服薬は継続し、在宅酸素投与は状況に合わせて続けるようにしました。
血液検査やエコー検査、点滴治療などの医療処置が自宅でも行えることを説明しました。
入院中から医療用麻薬が開始されていました。骨への転移が原因と思われる突然の痛みが1日に4、5回程度見られていました。痛みのため就寝後に目が覚めてしまうとの訴えがありました。経皮吸収型製剤の鎮痛剤を開始し、突然の痛みは1、2回まで減り、痛みで夜間に目が覚めることもなくなりました。
 
訪問診療または訪問看護師の巡回が毎日介入し、患者様とご家族の訴えに親身になって伺うようにしています。患者様やご家族の在宅での生活への不安は軽く、穏やかに年末年始を過ごされました。
 
今後も試行錯誤は続くかもしれません。患者様やご家族のお話に丁寧に耳を傾け、患者様が穏やかで、安心して、自分らしい生活できるよう、スタッフ全員が一丸となって取り組みたいと思います。
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